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当クリニックの認知症診療一度の診察ではなく、経過と生活の変化を診ていく
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認知症は、物忘れだけの病気ではありません。認知機能、体調、服用中の薬、日々の生活の変化を継続して確認し、その変化の原因を考えながら治療方針を決めることが大切です。
- 当クリニックが大切にしている三つのこと
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薬を始めるべき時期を見極めること
ご家族や介護関係者と情報を共有し、細かな薬剤調整を積み重ねること
症状が進行した患者さんにも、その時点でできる最善を尽くすこと
- 当クリニックが考える認知症専門医の役割
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- 認知症専門医の役割の一つは、その方にとって「薬を始めるべき時期」を見極めることだと考えています。
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アルツハイマー病では、脳の中にアミロイドβ蛋白が異常に蓄積し、その影響で神経細胞が障害されます。その結果、記憶や学習に関わるアセチルコリンの働きが低下し、認知機能や日常生活に影響が現れます。
アルツハイマー型認知症などに使用される薬の中には、アセチルコリンの分解を抑え、その働きを保つことを目的とするものがあります。ただし、薬の反応には個人差があり、興奮、落ち着きのなさ、不眠などが現れる場合もあります。そのため、単に早く始めるのではなく、認知症の種類、症状、生活への影響、期待できる効果と副作用を総合して判断します。
- 治療方針を決めるために確認すること
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認知機能検査
頭部MRIなどの画像検査
認知症と似た症状を起こす病気(ビタミン不足、甲状腺機能異常、神経梅毒など)がないかを確認する血液検査
ご本人の診察
ご家族から伺う日常生活の変化
これらを総合的に評価し、現時点では経過観察が適切なのか、 生活環境や介護サービスを先に整えるべきなのか、 今が薬を始めるべき時期なのかを判断します。
- 「経過」と「生活」を診ること
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高齢の方は、体調が日々変化します。天候、気圧、暑さや寒さ、季節の変化、感染症、脱水などによって、認知機能や精神状態が変わることがあります。
以前と比べて、どのように変化したのか。
認知症そのものの進行なのか。
抗認知症薬や内科の薬の影響なのか。
身体の病気や、別の原因が隠れているのか。
ご本人、ご家族、ケアマネジャー、サービス関係者、介護施設の皆様から日々の生活や症状の変化を詳しく伺い、その変化が何によるものかを整理して、治療方針を決めています。
初期から継続して診療することで、過去の状態と比較できます。小さな変化が、認知症の進行によるものか、薬の影響か、新たな身体疾患によるものかを判断するうえで、これまでの経過が重要な手掛かりになります。
- ご家族・介護関係者との連携と、細かな薬剤調整
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認知症は、診察室だけで判断できる病気ではありません。診察室では落ち着いていても、ご自宅や介護施設では異なる様子がみられることがあります。
私たちが大切にしているのは、一度薬を処方して終わるのではなく、その後の細かな変化を確認しながら治療を積み重ねていくことです。
例えば、介護施設に入所されている患者さんでは、薬を調整した後、施設職員の方から次のようなご連絡をいただくことがあります。
「眠気が強くなった」
「まだ興奮が続いている」
「食事はしっかり食べられている」
「夜は眠れている」
その情報をもとに、状態に応じて次の対応を検討します。「もう少し様子をみましょう」
「半錠に減らしてみましょう」
「別の薬へ変更しましょう」
「いったん薬を中止して、変化を観察しましょう」
このやり取りは、一度で終わるものではありません。患者さんの状態に応じて情報共有と調整を繰り返します。ご自宅で介護されている方についても、ご家族から日々の変化を伺い、診察だけでは分からない生活の様子を治療に生かします。
- 症状が進行した患者さんにも、最善を尽くします
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当クリニックでは、認知症の初期だけでなく、症状が進行した患者さんも診療しています。介護施設から紹介される方、ご自宅での介護が難しくなった方も受診されています。
認知症が進行すると、興奮、妄想、幻視、幻聴、暴言・暴力、昼夜逆転などの行動・心理症状(BPSD)が現れることがあります。また、服薬や介護サービスを受け入れることが難しくなる場合もあります。
- 治療の効果だけでなく、リスクも説明します
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症状が強くなると、ご本人や周囲の安全を守るため、興奮、妄想、幻視、幻聴などを和らげる薬(抗認知症薬以外の薬)が必要になることがあります。
一方で、このような薬によって眠気やふらつきが生じ、転倒や骨折に至ることがあります。骨折をきっかけに入院となり、生活機能が低下する場合もあります。
当クリニックでは、期待できる効果と起こりうるリスクをご家族や介護関係者へ説明したうえで、薬の種類や量を慎重に検討します。開始後も、眠気、歩行、食事、睡眠、興奮の程度などを確認しながら調整します。
治療の選択肢が限られていても、病状が進行していることを理由に諦めることはありません。薬の選択、減量、中止、変更を繰り返しながら、少しでも穏やかに生活できる方法を粘り強く探します。
- 外来治療が難しい場合は、専門病院へつなぎます
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外来で薬剤調整を続けても症状が改善しない場合や、ご本人や周囲の安全を保つことが難しい場合には、認知症疾患医療センターなどでの入院治療をご提案することがあります。
入院による集中的な薬剤調整や環境調整が、その時点で最も適した治療となることがあるためです。専門病院への紹介は、診療を終えることを意味するものではありません。
- 認知症だけでなく、その方の背景を含めて診ます
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認知症の患者さんの中には、以前から統合失調症やうつ病などの精神疾患を抱えている方もいらっしゃいます。
また、高血圧や糖尿病などの内科疾患に加え、睡眠薬や痛み止めなど、服用中の薬が認知機能や精神状態に影響している場合もあります。
認知症という病名だけを見るのではなく、これまでの病歴、服用中の薬、日々の生活、周囲の方から得られる情報を合わせて判断します。
- 受診について
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物忘れや日常生活の変化が気になり始めたら、症状が軽いうちに一度ご相談ください。適切な治療開始の時期を見極めるためには、早めの受診が大切です。

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